top of page
検索
  • 執筆者の写真山下 航太朗

タクシー業界の大異変と「先読み力」


タイトルにもあるように、タクシー業界に起きている大異変について、お話しようかと思います。

一つ前に書いた記事「デジタルトランスフォーメーション」にも繋がる内容です。

以下は地上波でやっていた、ある番組内の内容と僕の感じたことです。

特集されていたタクシー会社はIT系の企業とタッグを組み、「ベテランのタクシー運転手が」、「どこでお客様(タクシー利用者)を拾い」、「どこを走るのが一番効率的か」というGPSと紐付けた統計データ(ビッグデータ)とAIを組み合わせ、更に人々の動きの情報を追加したシステムを開発していました。

そのシステムの搭載されたタクシーにはカーナビのようなものが設置されていて、僕たち利用者にはビックデータを利用した壮大なシステムがついていることなどは感じさせない、従来のタクシーに後付できる安価なものでした。


テレビの取材で、その装置のついたタクシーを運転する運転手は、

「普段、お客様を拾う場所と違う場所に行けとAIに指示される。普段なら行かない交差点のをシステムが案内する」と不安そうにタクシーを走らせていました。

運転手が自分の判断ではなく、試験的に導入されたAIの判断する交差点へ行くと、ちょうどお客様が手をあげ、タクシーを利用していました。


【ビックデータを元に解析したAIが、ベテラン運転手の頭脳に勝った瞬間】です。

本来なら行かない「交差点」へ行ったことが、結果としてお客様を拾う最短ルートでした。


もし仮に、運転手がAIを無視し、自身の経験からお客様を拾う場所に行ったとしても、タクシー利用者を拾うことができたと思います。

しかし、距離的に一番近く効率的なのはAIがビックデータを元に指示した交差点だったのです。

その後も、AIの指示通りタクシーを走らせることでタクシー利用者は絶えませんでした。

タクシー運転手は嬉しそうに「AIが非常に優秀で自分の頭で考える必要もなく、新人でも同じルートを走ってお客様を拾うことができる」といったような話をカメラに向かってしていました。


もし、僕なら今後、自分がタクシーの運転手をしていて良いのか不安になります。

なぜなら、今までのノウハウが無意味になるからです。

ただ、短期的に見れば、運転さえできれば利用者がどんどん取れるということは、歩合制のタクシー運転手にとって非常にありがたいことなんですよね。

なので、今回取材されていたタクシー運転手の言葉も納得がいくものです。


でも、すこし長い目で見た時に【本当にそれはタクシー運転手にとってメリットなのでしょうか?】

なぜなら、「ベテラン運転手よりも、既にAIのほうが優秀だ」という証明をされたのですよ?


ここに、自動運転技術、そしてウーバーのようなアプリから直接タクシーを手配するサービスが加わると、ベテラン運転手は必要ないと断言できます!

もっといえば、法改正され、無人運転許可が降りれば、タクシー運転手自身が完全に職を失うことになることまで想定すべきだと思います。それが「先読み力」ですよね。


これは、僕たちが深く考えるべき現代のテーマであると思います。

現実味が無い人は以下の日本国の成長戦略をご覧下さい。


【日本国の成長戦略を議論する未来投資会議において2020年度策定の成長戦略が発表】

モビリティ分野では以下の6つのKPI(成果目標)が掲げられています。


1.2022年度目途での鉄道廃線跡等における遠隔監視のみの自動運転移動サービスが開始

2.2025年目途に、高速道路上でレベル4の自動運転が実現

3.2030年までに、地域限定型の無人自動運転移動サービスが全国100か所以上で展開

4.2030年に、安全運転支援装置・システムが、国内販売新車に全車標準装備、ストックベースでもほぼ全車に普及

5.2022年度を目途に、ドローンの有人地帯での目視外飛行による荷物配送などのサービスを実現

6.2023年に、「空飛ぶクルマ」の事業を開始


どうですか? 思ったよりも早いペースで計画が進んでいると思いませんか?

Comments


bottom of page